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絶対観たくなる!!ここまで明かすKA(カー)の世界

「火」をコンセプトの中心に置いたシルク・ドゥ・ソレイユの最新作、「KA(カー)」。クリエイター兼ディレクターのRobert Lepageは「火は命や光を象徴するのと同時に争いや破壊をも意味する。このショーではそういった火の二元性を表現した」と言う。

古代エジプトでは、目に見えないがどんな人間の心にも宿ると言われる「二元性」を表すために「カー」という言葉が使われた。光と闇、愛と憎しみ、男 と女・・・。この物語はそんな「二元性」を運命によって切り離された男女の双子という化身を通して壮大なスケールで描いていく。それぞれの目の前に立ちは だかる幾多の困難。それを乗り越え、二人が再び結ばれる日はやって来るのか・・・。


「カー」の世界のはじまり

MGMグランドのカジノフロアに「カー・シアター」がある。このシアターの入口に一歩足を踏み入れると、まるで夢の世界に迷い込んでしまったかのような幻 想的な雰囲気に包まれる。そこからがもう「カー」のはじまりだ。天井から悲しげな弦の音色が降りそそぎ、思わず上を見上げると、そこには大きな弦楽器の上 で体全体を使ってメロディを奏でる2人の姿が。

 


舞台がない!? 常識を超えた空間演出

オレンジ色の光を発する立体的な柱が客席の周りを囲む。こんな光景は他のシアターでは見たことがない。客席に入った瞬間、知らない世界に迷いこんだかのよ うな異様な雰囲気に包まれる。開演前にはこの柱から吊るされた琴や弓矢を背負ったパフォーマーが観客を驚かせる。照明デザイナーのLuc Lafortuneは、上から舞台を照らす一般的な手法を用いるのではなく、舞台のないこのショーでは下からライトを当てることでそこに生まれた空間を演 出した。シアター全体がまるで逆さまになったようだ。

凝りに凝った「会場内での注意」

ス テージの周りで煙と炎が交互に吹き上げられ、シアターがだんだん暗くなる。舞台の袖から黄色い服を着た怪しげな男が、続いてステージの大きな穴の中から醜 い長髪の男が現れる。2人は観客を1人選び、嫌がるのも構わずステージに連れていく。長髪の男は客のポケットから「携帯」、「カメラ」、「煙草」を次々に 取り出してステージの穴の中に投げてしまう。なるほど、会場内の禁止事項までショーの一部に取り入れ、おもしろおかしく注意を促すのだ。

 

 


必見!舞台装置のカラクリ

「カー」 には固定されているはずの「舞台」がない。つまり舞台は各シーンによって異なる形、動きで登場するのだ。例えば、あるシーンでは砂浜が登場するのだが、最 後にはその舞台が垂直に動き、砂がザザーッという大きな音を立てて一粒残らず舞台の底に流れ落ちてしまう。もっと驚くのはパフォーマーがその垂直の舞台に 対してマグネットのように貼り付くところ。まるでスパイダーマンのようだ。この変幻自在に動く舞台だけでもショーを観る価値は十分にある。

ここがみどころ! 4大シーンをクローズアップ

ラスベガスでシルク・ドゥ・ソレイユが手がけるショーは「オー」、「ミステア」、「ズーマニティ」の3つ。今年の秋以降に4つめのショーがMGMグランド で始まるが、正確な日程や内容は未発表だ。いつも開幕間際にそのベールを脱ぐことでもシルク・ドゥ・ソレイユは有名である。ここでは現在ラスベガスで上演 しているショーにスポットライトを当ててみた。

クローズアップ1 
"畳の上でのアクロバット武術対決"

畳を舞台に見立てる発想がおもしろく、アジア色が濃く出ているシーンのひとつである。中国の武術である刀や剣を巧みに操り、そこにアクロバティック な要素が取り入れられている。高度なジャグリングもあるが、ここではアクロバティック・ジャンパーとして登場する男性に注目。同じ人間とは思えない超越し た「バネ」の持ち主だ。
もうひとつ着目したいのはパフォーマーのコスチューム。デザイナーのMarie-Chantale Vaillancourtによると、デザインにはアジアの文化を出発点としながらも、それに固執するのではなくモダンかつオリジナルの要素を取り入れたと 言う。確かにここで登場する女性は「ぽっくり」を履き、和紙と絹で作られた美しい着物を着ているが、頭の飾りは近未来的なデザインのようにも感じられる。


クローズアップ2 
"大波で揺れる舟から放り出される人々"

主人公である双子の男女が引き離されてしまい、女の子だけが舟に乗せられて連れ去られるシーン。ここでは舟が大きく上下左右に揺れてかなりの迫力が ある。その揺れに耐えられず人々が舟から投げ出されてしまう。パフォーマーは振り子のように揺れる舟の遠心力を利用して、オリンピック級の回転やひねりを 取り入れたダイナミックなアクトを披露しながら落ちていく。舞台下は普通に落ちたら間違いなく死んでしまう深さだろう。底にどんな仕掛けがあるのかは謎で あるが危険が伴うシーンであることは確かだ。ちなみにこの双子の男女は他の役者と比べて背が低く、子供が演技をしているのかと思うほどだ。背丈も風貌も良 く似ている2人は実生活でも正真正銘の双子。舞台の上と違うのは2人とも女の子ということだ。

 


クローズアップ3
"笛と体が一心同体 高橋典子さんの優雅なソロ\"

72人のキャストの中で唯一の日本人がバトントワリングの第一人者、高橋典子さんだ。世界バトントワリング選手権ゴールドメダリストという輝かしい 実績をもつ高橋さんは、ショーの中でもいわゆる「見せ場」で登場する。その美しさは言葉で表現することが非常に難しい。そのせつなくも華麗な動きに心打た れ、思わず涙が出てしまうほどだ。同時に息を呑むバトンさばきの連続は見事としか言いようがない。実はここで回しているのはバトンではなく「笛」である。 また使用される音楽が更にその情景をもの悲しく、優美に演出している。世界中から超一流のパフォーマーが集うシルク・ドゥ・ソレイユの新作に主人公と肩を 並べて登場する高橋さんを日本人として心から誇らしく思う。


クローズアップ4
"生死を賭けた恐怖のアクロバット
"

「カー」の中で最高の注目シーン「ウィール・オブ・デス(死の車輪)」。これは井戸の汲み上げをモチーフに造られた、一見観覧車のようにも見える装 置の上でのアクロバット。ここで繰り広げられるパフォーマンスはシルク・ドゥ・ソレイユが今までに挑戦してきたアクロバットの中で最も高い危険を伴うと言 われる。この装置には4つの円形の籠があり、それぞれが回転している。その回転している籠の中にひとりずつパフォーマーがおり、まるでモルモットがおも ちゃの輪を回すように動き続ける。一番高い場所にある籠の中にいるパフォーマーがそこから抜け出し、籠の外側に立つ。その高さはステージの天井に届くほど だ。そこで回り続ける籠の上に立ち、ロープを使って二重跳び、三重跳びまでしてしまう。さらに装置全体が観覧車のように回転しているため宙に浮いている時 間が長く見え、まるで空気と戯れているようだ。万が一バランスを崩せば奈落の底へ落ちる可能性もある危険な技である。人間の限界に迫るハイリスクなパ フォーマンスだ。

 

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